左官の仕事

建築を生業とする私達が素晴らしい技術と思うもののひとつに、古い民家にある土蔵の壁面に描かれた鏝絵(こてえ)があります。

鏝絵は、左官職人が鏝をまるで筆のように扱いながら、漆喰の浮彫で「鶴亀」や「鯉の滝登り」「雲龍」など、縁起の良い図柄を描き出したものです。これは施主への御礼の気持ちを表したものと言われています。

鏝ひとつで、これだけのものを描ける左官の技術は、日本が世界に誇れるものといえるでしょう。

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建築物の壁塗りに代表される左官工事の原型は、人が竪穴式住居で暮らしていた縄文時代にあります。当時は、土を団子のように丸めて積み上げ、土塀を築く原始的なものでした。これが時代とともに発展。飛鳥時代には石灰で壁を白くしたり、細く割った木で壁芯をつくる技術が生まれました。

平安時代には宮殿の建築や宮中の修理を行うため、宮中への出入りを許された「木工寮の属(さかん)」という役職がありました。漢字には「沙官」「沙翫」が当てられていました。今でも左官のことを「しゃかん」と言うことがありますが、これは当時の名残なのかも知れません。

茶の湯文化が発達した安土・桃山時代には、茶室の壁に色土が用いられるようになり、さらに砂や繊維を混ぜることで、美意識を重んじる繊細な表現をするようになりました。

江戸時代に入ると漆喰仕上げが誕生。商人の土蔵や町家へと普及し、漆喰彫刻や鏝絵という、極めて芸術性の高い装飾技術も生まれました。この時培った技術は、文明開化後の洋風建築の装飾にも生かされました。

左官の仕事は仕上げの美しさのみならず、家の耐久性や快適性にも大きく関わる大切なものです。近年はコンクリートパネルなどの台頭により、左官が腕を発揮する場面や左官仕事そのものが減ってきています。

けれども、日本の伝統建築において左官職人は、重要な位置を占めています。私たちは、左官職人がもっと見直されるべき技と知恵を備えた存在だということを忘れてはいけないと思います。

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(写真は福岡市西区 四季の家展示場2階寝室です。珪藻土の壁に藁を塗り込んでいます。)

今日から佐世保市春日町にて完成見学会をさせて頂く会場は、和室に珪藻土を塗っています。

珪藻土は脱臭性と調湿性に優れています。身近なところで言えば生活雑貨で、珪藻土のバスマットやコースターなども販売されています。

今回の見学会会場の和室は壁の一面に、アクセントカラーとして赤の珪藻土を塗っています。

カラーバリエーションが豊富なこと、塗り方の仕上げも、「塗りっぱなし仕上げ」「ストリーム仕上げ」「スパニッシュ仕上げ」など、様々できることなどで、珪藻土は人気があります。

左官職人の技を、是非会場でご覧ください。

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