庭~季節を感じる情緒を演出~

前々回にお話していた「ウッドデッキ」の話に関連して、庭の話です。

家を建てる時、近年おろそかにされていると感じるものに庭があります。後々の手入れが簡単に済むようにということでしょうが、玄関アプローチや庭にコンクリートを多用している家が増えました。建物を取り巻く外構を無機質にすると、生活の情緒性に影響が出ると私たちは考えます。樹木や植物を無視しない家、四季を感じられない家は、住む人も気付かないうちに、暮らしから情緒や感受性を奪っていきます。

ガーデニングという言葉が一般化してから十数年経つでしょうか。人々の関心はイングリッシュガーデンやフランス・プロヴァンス風、カナダ風など、欧米に向きました。欧米の人々は庭への興味や関心が高いため、ガーデニングも発達しています。ただ、忘れてはならないのが、江戸時代までは日本が世界に名だたるガーデニング大国だったという歴史です。

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(こちらは福岡市西区 四季の家展示場です)

日本のガーデニング、園芸は江戸時代に大きく開花しました。当時の園芸レベルは世界でも最高水準にあったと言われています。富裕層から庶民まで、誰もが植物や樹木に関心が高く、庭を美しくしつらえ、手入れしました。植木屋は新しい品種づくりにしのぎを削って希少な植物を数多く生み出し、人々を夢中にさせました。

その文化が廃れてしまったのは、戦争があったためです。一面焼け野原で住む家を失った日本人は、とても庭どころではなくなってしまいました。世界が注目した珍しい品種の数々も焼けて消失してしまったのです。

けれど、日本人の美意識の中には園芸文化が残っていると私たちは思います。何より、庭と家は引き離しては考えてはいけない関係にあるのです。例えば、家の周りを緑の植栽で囲むことで緑陰が生まれます。手軽なもので言えば、以前お話したグリーンカーテンもその一つだと思います。庭全体が林のようになれば、夏場の過ごしやすさは格段に違ってきます。その樹木が落葉樹であれば、夏場は繁った葉が日差しを遮り、冬場は落葉して温かい光が家の中に入ってきます。言うなれば、庭はもうひとつの家なのです。庭づくりで大切なのは気候風土です。日本には日本の、九州には九州の気候風土に合った植栽を考える必要があります。

kinohanasi-3.JPGのサムネイル画像

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